EIA原油在庫 最新情報! 在庫の大幅減少とドル安にて原油価格は回復に向かう?

9月28日に76ドル台まで落ち込んだWTI原油先物は、翌日29日にはEIA在庫統計を受けて81.93ドルの高値まで上昇。3時間で2ドル以上急騰する場面もあり、ここ数日の落ち込みから回復しつつあります。

FRB利上げによる需要低下が原油価格にダメージを与えたものの、予想を大きく下回る原油の在庫統計から上昇への期待が強まったようです。

ドル買いの過熱感がおさまり、米ドルが下がり始めたことも原油投資家の心理を改善させたと見ることができます。

原油価格はEIA在庫統計に左右されやすいため、原油投資では必須の統計データだといえます。ここで9月29日現在のEIA在庫統計などの最新情報原油の近況でお伝えしておきましょう。

EIA週間原油在庫統計(9月23日付け)

9月29日発表のEIA週間原油在庫の統計データ(9月23日統計)は以下のとおりです。

最新統計データ予想前回統計データ
原油在庫-21.5万バレル44.3万バレル114.2万バレル
ガソリン在庫-242.2万バレル70.9万バレル150.7万バレル
ディスティレート在庫-289.1万バレル-6.9万バレル123.3万バレル

※原油在庫統計で発表される数値は、在庫量ではなく増減量のことです。

※ディストレートとはガソリン・重油などを精製した後に残る原油のこと。留出油・残油とも呼ばれています。ディーゼルや軽油、潤滑油やアスファルトなど、その他石油製品に使われています。

出典:原油先物上昇 ドル高一服で – REUTER

イラン核合意、需要増、OPEC+減産

原油在庫

米国原油在庫量変化の推移


source: tradingeconomics.com

米国原油在庫の推移(1年間)

出典:US Crude Oil Stocks – EIA

米国の9月23日時点でのガソリン在庫は、予想の44.3万バレル増に反して21.5万バレルの減少でした。9月の大幅増量以来、急激に在庫量が減少に向かっています。

EIAによると、原油精製所のキャパシティが90%以上が限界に達っしているとのことです。

トータルの在庫量4.3億バレルで、5年間の同時期の平均から見ると約2%低下。

ガソリン在庫

米国ガソリン在庫量変化の推移(1年間)


source: tradingeconomics.com

米国ガソリン在庫の推移(5年間)

出典:US Gasolin Stocks – EIA

ガソリンの在庫は242万バレル減少で、予想の70.9万バレルを大きく下回りました。市場では、想定以上の在庫減少にて米ガソリン事情がかなり逼迫しているとの見方が強まっています。

5年間の同時期の平均から6%低下、ガソリンプロダクトは昨年同時期に比べて6.6%低下しているとのことです。

ディスティレート在庫

米国ディスティレート在庫量変化の推移(1年間)


source: tradingeconomics.com

米国ディスティレート在庫の推移(5年間)

出典:US-Distilate Stocks – EIA

米国のディスティレート在庫は289.1万バレルも減少し114.4万バレルとなっています。市場予想の6.9万バレル減をはるかに超える減少となりました。

5年間で見るとトータルのディスティレート在庫量は著しく低下、これまでにないレベルにあります。在庫不足を深刻にとらえる専門家も少なくないようです。

ディーゼルやヒーティングオイルの需要が高い欧州への輸出量が増えたことが在庫減少の主な要因だと指摘されています。

原油市場の近況と見通し

3月には130ドル、6月には123ドルの高値をつけた原油価格ですが、7月以降はタイトな供給量にもかかわらず価格が下がり続けていました。FRBを筆頭に加速し始めた利上げによる需要低下が、過剰に不安視されていたからです。

現物の原油取引と先物商品との現取引には、大きな開きが生じていることが指摘される中、ロシア産原油への上限設定やイラン核合意などの下落要素も相まって、27日は9か月ぶりに76ドルの安値をつけるまでに至ったのです。

出典:原油先物続伸 米在庫減・需要増 – REUTERS

しかし、OPECプラスは、現実の原油取引価格と市場価格との連動を意図して、原油の大幅減産に踏み切りました。イラン核合意も望みは薄そうです。

サウジアラビアは原油を減産?イラン核合意は?原油価格の現状と今後の展開

EIAでは、欧州の天然ガスが石炭・原油へと代替えされる可能性を見ていて、原油への需要は今後強まると予想しています。

原油需要の見通し IEA 最新情報!今後の原油需要は強まるとの見方が優勢

また、原油の価格上限設定は、むしろロシアの報復減産を促し価格高騰をもたらすとの見方もあります。

原油価格は380ドルまで上昇する可能性!?JPモルガンの原油価格の見通し

というように、市場ではまだまだ原油の上昇観測も健在で、パニックに陥りがちな投資家心理と交差しながら、原油価格は変わらずハイ・ボラティリティで上下し続けています。

WTI原油先物チャート(30分足)

直近のWTI原油先物の価格をチャートでチェックしてみると、

28日16:00あたり、ちょうど中国のコロナ規制緩和やメキシコ湾の原油生産停止などが報道された後ですね。欧州市場の開幕とともに4時間で3ドル以上も上昇に向かっています。

そして、ロシア原油減産の可能性や、EIAのデータによって29日も価格はジャンプ。現在30日時点では82.50ドルあたりで推移しているようです

利上げへの不安は残るものの、これを機に市場では原油の新たな方向転換を予想する声が上がっています。

現在の価格が、数か月間ではどれぐらいの位置にあるのか、これまでの原油価格の推移を確認しておきましょう。

原油価格の推移(2021年12月~9月)

2021年後半から高騰し始めた原油は、6月23日以来は長い下降トレンドとなり、現時点で一巡した感があります。何よりも、需給バランスを注視していくならば、原油が上がる要因の方がはるかに多いと見れます。

上昇転換へのプラス要因

出典:サハリン1 ロシア石油生産量半分に – RUETERS

原油価格の流れがが変わった要因として・・・

  • ロシアのサハリン1における原油生産は例年の約半分に減産
  • 中国のコロナ規制による緩和による需要回復
  • メキシコ湾、ハリケーンで原油生産減
  • 米国の原油在庫不足
  • イラン核合意の可能性は低い
  • OPECプラス・ロシアの減産の可能性

など、原油価格を押し上げる要因はいくつもあります。

原油市場の今後の注目ポイント

さらに、今後注目しておきたいポイントをいくつか挙げておきましょう。

  • OPEC+、中東、ロシアの動向
  • 欧米の経済制裁 → ロシア、イランの反応
  • 中国の需要回復
  • 主要国の政策金利
  • 主要国の経済観測と原油需要の見通し
  • ハリケーンなどの突発的ニュース

など・・・

まとめ

米国、欧州、中国をメインに、GDPや雇用統計・製造業指数などから原油の需要がどうなのか探ることがまず1つ。それに対して、原油の供給量・在庫量はどうなのか?少ないのか?過剰なのか?を見ることで、今後の原油価格の見通しをたてることができるでしょう。

しかしながら、利上げピークによる市場心理への打撃は思った以上に大きいようです。

経済に対する不安は時に、過剰なまでのパニック売りを引き起こします。とくに原油に関しては、ロシア・ウクライナ問題とも深くかかわっているため、市場は敏感に反応する傾向にあります。原油相場は、引き続き高いボラティリティが予想されます。

EIAのデータや原油関連のニュースをまめにチェックしながら、短期的な売買で原油投資に取り組むのが最善の策だといえるでしょう。

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