最近のエネルギー価格の高騰にあやかって、エネルギー投資を始めたいと検討する方は多いでしょう。しかし、いざ始めたいと思っても、どのような方法があるのか、どのように始めればよいのか戸惑ってしまうものです。
いきなりやり方もわからないのに原油先物を買うわけにもいきません。株式も銘柄選びが難関となります。
そこで、検討したいのがETFです。ETFなら複数のエネルギー銘柄にまとめて投資が行えます。しかもプロが組み入れ・運用を行うので、初めてのエネルギー投資にうってつけの方法です。
今回は、国内でも購入できるエネルギー関連のETFをいくつかご紹介していきます。どうぞ、今後のエネルギー投資にお役立て下さい。
エネルギー価格の高騰は、ロシアとウクライナ問題、サウジアラビアの増産見送り、ロシアへの経済制裁などから様々な要因から生じています。早期での解決は難しく、しばらくはエネルギー価格の高騰が続くとの見方が優勢です。
ここにきて、エネルギー投資を検討する方は多いようです。


エネルギーに投資する方法にはどんな方法があるの?

原油やガス、ガソリンなどの関連株や先物商品に投資をしたり、ETFやCFDに投資する方法があります。
- エネルギー関連の株式に投資をする
- 原油やガスなどの先物商品に投資をする
- エネルギー関連のETFに投資をする
- 先物商品のCFDに投資をする
以上のような方法がある中、初心者でも取り組みやすくおすすめなのがETFです。
ETFとは、上場している投資信託のことで「上場投資信託ファンド」とも呼ばれています。
原油やガス関連の複数の銘柄を組み入れてあることが、ETFの大きな特徴です。
プロのファンド会社が組み入れ・運用を行うため、自分であれこれ悩む必要がないことがETFの大きなメリットです。その時々の市場動向に合わせて、組み入れ銘柄や運用比率が見直される仕組みになっています。
手軽にエネルギー投資を始める方法としてETFはうってつけの方法だといえます。
国内で取引可能なETFは国内ETFと海外ETFと2つのタイプがあります。
国内ETF
国内ETFとは、東京証券取引所に上場しているETFのことです。一般の上場株式のように、株式口座を介して簡単に売買することができます。
海外ETF
海外ETFとは、NYSEやナスダックなど海外の取引所に上場しているETFのことです。国内では米国のETFを扱う証券会社が多いです。海外株式口座をを開設して取引できます。

具体的にどんなETFの銘柄があるの?

では、エネルギーに投資できるETFにはどのような種類があるのか、代表的なエネルギー関連のETFを見てみましょう。

まずは手始めにチャレンジしてみたいのが、初心者にも始めやすい国内ETF「Wisdom Tree エナジーETF」です。株式口座があれば即購入できます。WTIやブレント、天然ガス、ガソリンなどの複数のエネルギー商品に投資を行います。WTIとブレントが50%以上を占めるのが大きな特徴。
- 基準価額(円):773円(2023年6月21日時点)
- 年初来高値:885円
- 年初来安値:386円
- 純資産総額:6.5億円
6月21日時点の株価は773円。2021年から堅調な上昇基調を維持しており、6月7日に885円の高値から降りてきたところです。1株10口が取引単位となります。
信託・管理報酬:0.49%(年間)→ 時期によって変動あり
信託報酬は年率0.49%が毎日の運用益から差し引かれます。エナジーETFの騰落率は以下のとおりです。2023年度のエネルギー高が大きく寄与しているようです。
- 3か月の騰落率:51.35%
- 6か月の騰落率:44.68%
- 1年の騰落率:102.95%

次にに抑えておきたいエネルギー系のETFは、「Derection デイリーエネルギー株 ブル2倍」です。Tickerコードは「ERX」で米国に上場するETFです。米国NYSEに上場のエクソン・モービルやシェブロンなどのエネルギー系の株式を組み入れた海外ETFになります。
- 基準価額(ドル):49.28ドル(2023年6月21日時点)
- 52週高値:80.27ドル
- 52週安値:19.53ドル
- 純資産総額:723.15(100万ドル)
6月21日時点の株価は、49.28ドル。6月8日に80.27ドルの高値をつけて以来、今は価格が下がりきっている状態です。価額がちょうど下がったタイミングが狙い時かもしれません。
信託・管理報酬:1.06%(年間)→ 時期によって変動あり
信託・管理報酬は、年率で1.06%。騰落率は時期によって変動があり、基本的に長く保有することで一定以上の値上がりが期待できるようです。
- 1か月の騰落率:-12.48%
- 6か月の騰落率:84.60%
- 1年の騰落率:71.99%

続けて米国ETF、「Derection デイリーS&P石油・ガス探掘・生産株 ブル2倍」もチェックしておきたいですね。Tickerコード「GUSH」です。米国株インデックス「S&P Oil&Gas Exploration & Production Select Industry Index」の200%で連動することを目指したETFです。
- 基準価額(ドル):145.87ドル(2023年6月21日時点)
- 52週高値:257.76ドル
- 52週安値:50.99ドル
- 純資産総額:1.099(100万ドル)
6月21日時点の株価は、145.87ドル。257.76ドルの高値から安値をつけた段階。これから再び上がるとすれば、今が購入のタイミングかなと見れます。
信託・管理報酬:1.13%(年間)→ 時期によって変動あり
信託報酬は年率1.13%が日割りで差し引かれます。GUSHの騰落率は以下の通りです。
- 1か月の騰落率:-12.48%
- 6か月の騰落率:84.60%
- 1年の騰落率:71.99%

そして、もう1つエネルギーETFで選択肢の1つとなるのが「バンガード・米国エネルギーセクターETF」です。Tickerコードは「VDE」、バンガード社はETFでは国内でも有名です。こちらはおもに、米国エネルギーセクターの大・中・小規模の企業にて構成されています。
- 基準価額(ドル):107.53ドル(2023年6月21日時点)
- 52週高値:130.35ドル
- 52週安値:62.92ドル
- 純資産総額:8936.04(100万ドル)
BDEは2004年の設定以来、比較的に安定した運用を実現しているのが特徴です。6月21日時点の株価は107.53ドル。今はちょうど高値から降りてきた相場が反発しようとしています。高値に向かう前が購入の狙い時となるでしょう。
信託・管理報酬:0.1%(年間)
信託報酬は0.1%と格安レベルで、一定以上の騰落率が期待できます。
- 1か月の騰落率:-4.09%
- 6か月の騰落率:47.42%
- 1年の騰落率:53.43%
国内ETFは、株式のように東証に上場している銘柄で、株式口座があればどこでも取引可能です。海外ETFは、海外株式を提供している証券会社のみとなります。
ETFは基本的に1株から取引できます。ETFの銘柄によっては1株に数口設定されていることもあります。証券会社によって取引単位が異なる場合がありますので、取引前に必ず確認して下さい。
海外ETFの場合は、証券会社ごとに取引可能な銘柄が異なります。
今回ご紹介した、
- 1685: Wisdom Tree エナジーETF(国内ETF)
- ERX:Direction デイリーエネルギー株 ブル2倍(海外ETF)
- GUSH:Direction デイリーS&P石油・ガス採掘・生産 ブル2倍(海外ETF)
- VDE:バンガード・米国エネルギーセクターETF(海外ETF)
4つのETFは、以下の証券会社で取引できます。

海外ETFの取引手数料
- 特定の15銘柄のみ手数料無料
- エネルギー関連などその他銘柄は約定代金の0.495%
- 手数料の上限は22ドルまで(米ドル)

海外ETFの取引手数料
- 特定の9銘柄のみ手数料無料
- エネルギー関連などその他銘柄は約定代金の0.45%
- 手数料の上限は22ドルまで(米ドル)

海外ETFの取引手数料
- USAプログラム対象銘柄は実質無料(手数料キャッシュバック)
- 対象外のETFは約定代金の0.45%
- 手数料の上限は22ドル(米ドル)
- NISA口座での取引は手数料無料
原油や天然ガスなどエネルギー関連にダイレクトに投資する方法には、先物取引があります。しかし、先物取引といわれても、まずは仕組みを理解するのが大変で、そもそも先物取引は上級者向けです。
株式にチャレンジする方法もありますが、これもまた銘柄数が多いため銘柄選びが難関となります。

ETFであれば、プロが銘柄を選び運用してくれますのでハードルは低めです。株式口座を開設すれば即売買可能となり、数もそんなに多くないので迷うこともありません。せっかくのエネルギー高騰の機会を逃したくない、という方はぜひ今回ご紹介したETFを検討してみて下さい。

