EVやハイブリッドの名前をよく聞くようになりました。EVはこれからガソリン車にとってかわるといわれている次世代の車です。次に購入する車として、あるいは投資の対象として近年注目されています。
何となくEVが電気自動車のことだとはわかっていても、ガソリン車とどう違うのか、ハイブリッドもEVなのか、どのメーカーがおすすめ?今のうちに投資しておくべき?と疑問に思うことも尽きないですよね。
今回は、そもそもEVとはどのような車なのか、ガソリン車との比較、ハイブリッドとの違いやEVの種類もお伝えしていきます。どうぞ、この機会にチェックしておいて下さい。
1885年に、ガソリンエンジンを搭載した世界で初めての自動車が誕生してから約130年。
今、自動車はガソリン車から電気自動車EVへと変わろとしています。
EVとは、ガソリンではなく電気・電池で走る自動車のことです。
1800年代初頭からガソリン車の開発とともに、電気自動車の開発も行われていましたが、電池の容量やコストに限界があったため近年になるまでは実用性がないと見なされてきました。

長年にわたって試行と改善が繰り返され、1997年、日産がソニーとの共同で世界初のEVの発売を開始。その後2000年代に入ってから、三菱、トヨタ、ホンダとEVの発表が相次ぎます。
さらに、EVベンチャーのTeslaやNio、Rivianなどの登場によって、EVはより現実的な電気自動車として認識されるようになりました。
深刻化する地球温暖化への対策として、CO2(二酸化炭素)を排出しないEVへの移行が世界中で推進されています。まだピンとこない方が多いものの、欧州や中国では、CO2排出量の削減を政府が積極的に支援しているため、EVの普及がかなり進んでいます。
世界のEV市場は、欧州・中国を筆頭に2018年から約3倍に拡大。
2010年~2021年 EV市場

2040年のEV市場予測

Bloomberg New Energy Financeのマーケティング調査によると、2040年には、世界のEV市場は約4,100万ドル(45億円)規模に拡大すると予想されています。
日本では充電施設が少なかったことや、導入支援策も十分でなかったこともあり、EVの導入にかなり出遅れ感があるのが現状。2022年度になって、ホンダやトヨタが米欧・中国のあとを追いかけるかのごとく、EV開発への投資を急いでいる状態です。
かつては世界経済をリードすることもあった日本ですが、最近では、何事においても他国より数歩遅れています。
遅ればせながらも、ようやく日本でもEV導入の支援策がグレードアップしてきました。
- EV車両の購入費用にかかる補助金
- 充電インフラ設置の補助金
- 水素供給設備への補助金
など、個人・法人を対象に、導入しやすい環境が整いつつあります。
さらに、先行して一部の企業では、EVの導入を進めています。配送業者などの車両にて「Hybrid」のマークや電源マークを見かけるようになってきました。
日本郵便は全車両をEVに

郵便配達用のスーパーカブもEVに

日本郵便では、2019年から2020年度にかけて首都圏中心に1200台のEVを導入、2025度までに軽4で12,000車両、2輪で21,000車両をEVに切り替える計画です。
ちなみに以下の記事では、ガソリン代を左右する原油価格の高騰について解説しています。合わせてご覧ください。

EVが電気で動くことはわかっていても、具体的にどんな車なのか、ここにきて疑問や関心を持つ方は多いでしょう。
では次に、そもそもEVとはどんな車なのか、特徴や仕組み、ハイブリッドなどEVの種類をここで解説していきます。
EVが走行する仕組みは、
簡単にいうと電池で動くおもちゃの車のようなもの。電池に蓄えてある電気がモーターを動かすことで車が走る仕組みになっています。

ガソリンの代わりに電池に電気を充電して、燃料として使うことができるのです。スマホの電池に充電するようなイメージですね。電気がモーターを動かして作動するので、CO2を一切排出しないことが大きな特徴です。環境を考慮したまさに次世代の車なのです。
EVに充電する方法は、
- EV充電器があるガソリンスタンドを利用する
- 民間・個人が運営するEV充電施設を利用する
- 太陽光発電・蓄電池の電気を充電する
- 自宅の電力から電気を充電する(専用機器が必要)
というように、ガソリンスタンド以外でも自宅でも(設備があれば)充電できることがメリット。とくに自宅や会社で太陽光発電を設置している場合は、コストをほとんどかけずに車の燃料を得ることが可能です。

また、EVの電池に電力を蓄えておけるため、緊急用の電力としても活用されています。
ガソリン車の充電方法
ガソリン車はガソリンスタンドでガソリンを確保します。ガソリンスタンドの数は全国で約30,000件です。比べて、EV充電器は地域に偏りがあるものの20,000件を突破しています。
自宅や会社の電力から充電する場合は、基本的に無料ですね。民間や公共の設備を利用する場合、場所やサービスによって料金は異なり、概ねの平均が以下のとおりです。
- 普通充電の月額プラン → 500円~2,500円(制限・無制限)
- 急速充電の月額プラン → 1,500円~5,000円(制限・無制限)
- 普通充電の時間単価 → 70円~150円(1時間)
- 急速充電の時間単位 → 250円~600円(30分
電池の容量によりますが、1回の満タンで走行できる距離は300km~400kmぐらいです。
ガソリン車の燃料コスト
ガソリン車はガソリン代が変動するので、時期によって割安だったり割高だったりします。1回の満タンで30ℓ~60ℓ、3,500円~7,000円程度のコストがかかります。走行距離は満タンで1,000km以上いけるものが多いです。
気になるEVの購入費用は、安価なもので300万円程度で、高価なものになると1,000万円以上になります。安価なEVほど電池の容量が小さく、高価になるほど電池の容量が大きくなります。
ガソリン車の購入費用
ガソリン車の購入費用は、それこそピンキリです。20万円以下で買える中古もあれば、数千万円の新車もあります。
EVとひとことでいっても、ハイブリッドや水素自動車などいくつかタイプがあります。完全に100%電池で動くのがEVで、燃料電池の種類・充電方法が異なるものもあります。電気モーターを搭載する車をすべて総称してEVと呼んでいます。
では、どんな種類があるのか見ておきましょう。
BEV(Battery Electric Vehicle/電池型電気自動車)

BEVは100%電池で動くタイプのEVです。最も新しいタイプのEVで、電池の容量拡大が進んでいることが大きな特徴です。ハイブリッドと区別するためのBEVと呼ばれることもあります。CO2を一切排出せず、電気モータのみで走行します。
PHV(Plug in Hybrid Vehicle/プラグイン・ハイブリッド車)

プラグイン・ハイブリッドは、自宅の電力をコンセントを差し込むだけで簡単に充電することができるタイプです。電池で動くモーターとガソリンで動くエンジンの両方を搭載しています。電池の容量に合わせて応用が利くことで人気があります。
FCV(Fuel Cell Vehicle/燃料電池車)

FCVは、水素電池を燃料としたEVのことです。燃費のよさと製造コスト面から、EVと同時進行で開発が進んでいます。水素エネルギーの充電設備も現在拡大中です。
HV(Highbrid Vehicle/ハイブリッド車)

ハイブリッドは初期のEVで、ガソリンエンジンとディーゼルエンジンに電動モーターを組み合わせた省エネタイプです。エンジンを燃焼によって生じるエネルギーがモーターを作動させる仕組みになっていて充電は不要。
国内・海外問わず、ほとんどの自動車メーカーがEVの開発・販売開始に注力しています。EVはまだ始まったばかりで、今後も優れたEVの出現が期待できます。
これから車の購入を検討したい方、先で購入しようかなと予定を立てている方、EVに投資を行いたい方はどんなEVが出ているのかこの機会に早速調べてみましょう。
こちらの記事では、有名な投資家バフェットが購入した原油関連の株式をご紹介しています。関心がある方は、ぜひ合わせて参考にして下さい。

EVは今後のデジタル化・オートメーション化によって、利便性・安全性が高くなっていくと期待されています。車種や利用頻度によっては、燃費もガソリン車とほとんど変わらないケースも出てきています。今なら補助金次第で、コストの大幅削減につながることが嬉しいですね。
電池技術は日々進化しています。EVがガソリン車の燃費を超える日もそう遠くないでしょう。環境面から見ても、将来的に需要が高まるのは確実であり、遅かれ早かれEV主流となる時代はくるでしょう。
車両の購入に関してはまだ先でと思われがちですが、投資をするなら今が最適な時期かもしれません。EV充電設備や、EV関連株式など、EVの時代がくる前に手をつけておきたい分野ですね。