止まらないインフレで、リセッションへの可能性が高まってきました。
最近の原油やガスの高騰には目をみはるものがあり、ここにきて原油・ガス関連の株式を探す方は多いのではないでしょうか?
今回は、原油・ガスの関連株を徹底的に調べてみましょう。おすすめの証券会社も最後にご紹介しますので、どうぞインフレ対策にお役立てください。
エネルギー高、物価上昇、利上げ、ロシアとウクライナリセッションとネガティブなニュースが相次ぐ毎日。インフレやリセッションに備えて、そろそろ本格的に対策・準備をしていったほうが良さそうです。
NYダウは連日で年初来安値を記録、1日で1200ドルも価格が落ち込んだ局面もありました。日経平均もNYダウに続くように、連日安値を記録し続けています。

出典:https://www.nikkei.com/article/

このままどうなるのかな。下がり続けて、僕のポートフォリオもぼろぼろ。

本当に心配ですね。
市場では、今後の相場動向をどのようにみているのでしょうか。
相次ぐ利上げと、止まらないエネルギー高・コモデティー高、そして・・・ロシアとウクライナ。
WTIが130ドルの高値をつけて、エネルギー高が深刻になり始めた3月ごろから、市場ではインフレによるスタグフレーションやリセッションを懸念する声が聞かれています。
ドイツ銀行やBloombergでも、リセッションの可能性は高いと見ているようです。

JPモルガンのCEOであるジェイミー・ダイモンは5月末に、「これから金融市場にハリケーンが訪れる、準備をしておいたほうがよい」とインタビューで答えています。
もともと、JPモルガンは原油価格は185ドルまでの上昇を見込んでいて、エネルギー高による市場低迷は避けられないと見ているようです。

市場では、あらゆる金融商品が下がるとの見方が優勢となるものの、原油・ガス関連に関してはむしろ逆の方向に進むと予想されているようです。
あの伝説の投資家バフェットも3月~5月にかけて大量の原油株を買い増ししているとのことです。

インフレ・リセッションへの対策として、原油・ガス関連に投資をしておくのも1つの方法かもしれません。
以下の記事ではバフェットが買い増しした原油株をご紹介しています。こちらも参考までにご覧ください。

ただし、必ずしも原油・ガス系なら100%大丈夫だというわけではないので、あくまでも判断は各自の責任となります。
では、原油関連株にはどのような銘柄があるか見ていきましょう。
国内では「原油」のことを「石油」と呼ぶこともあります。「石油 = 原油」のことです。原油株の多くは、天然ガスも同時に扱っていますが、ここでは原油がおもな事業となる業者を絞っています。
コード | 銘柄名 | 業種 | おもな事業内容 | 年間チャート |
---|---|---|---|---|
5019 | 出光興産 | 石油 | 国内最大手。サウジと緊密。原油の輸入・販売。 昭和シェルと統合、再エネ開発にも注力。 | ![]() |
5020 | ENEOS | 石油 | 国内最大手。販売の国内シェアトップ。 水素ステーション拡大に取り組む。 | ![]() |
5021 | コスモ エネルギー | 石油 | 石油元売り大手。アブダビ政府系筆頭株主。 海外での石油開発に強み | ![]() |
1662 | 石油資源開発 | 石油 | 原油・ガスの開発を国内・海外で行う。 米国オイル開発に投資、天然ガスにも注力。 | ![]() |
1605 | INPEX | 石油 | 国内の原油・ガス開発最大手。日本政府系。 インドネシアでバイオガスの開発に取り組む。 | ![]() |
8031 | 三井物産 | 商社 | エネルギー比率が最も多い大手商社。 とくに原油の生産権益量、インフラに強み。 | ![]() |
5008 | 東亜石油 | 石油 | 出光の傘下。石油精製や供給を行う。 ガソリン、灯油、軽油、重油、電力事業 | ![]() |
9132 | シナネン HD | 卸売業 | LPガス、灯油系の燃料商社。あかりの森電気。 再エネ開発・100%再エネ電力の供給。 | ![]() |
5017 | 富士石油 | 石油 | 石油開発、精製、販売。アラビア石油と持ち株会社。 大株主にクウェート、サウジ、出光。 | ![]() |
8097 | 三愛オブリ | 卸売業 | 石油、ガス卸大手。傘下にキグナス石油。 リコー三愛グループ、羽田で給油施設運営。 | ![]() |
5009 | 富士興産 | 卸売業 | ENEOS系石油卸。軽油、灯油、重油が主力。 北海道でLPガス、建機レンタルも。 | ![]() |
手堅く銘柄を選ぶなら、やはり大手石油系の「出光興産」「ENEOS」「コスモエネルギー」あたりが定番です。
ちょっとマイナー系をあえて狙うなら、バックに大手系がそろう「富士石油」「富士興産」や、再エネに強みがある「シナネン」なんかもありかもしれないですね。
原油関連株は値動きが激しいので注意が必要です。出来高が桁違いに大きい銘柄「ENEOS」あたりは、値幅が小さめなので意外と安全圏かもしれません。

原油株を選ぶポイントは何かな。

原油株を選ぶポイントは、すでに上昇しているものが多いので、できるだけ安値の時を狙うことです。
脱炭素や再エネに、どう対応しているのかもチェックしたいですね。

では次にガス関連の株式銘柄をご紹介しましょう。
ガス関連はLPガスを加えるとかなり多いです。すでにご紹介した石油系大手でもたいていガスも取り扱っています。ここでは、天然ガスが主軸となる業者、開発も手掛ける業者や、大手都市ガス系をまとめてみました。
コード | 銘柄名 | 業種 | おもな事業 | 年間チャート |
---|---|---|---|---|
9531 | 東京ガス | ガス | 都市ガスの最大手。海外でガス開発を行う。 電力と合わせ総合的にエネルギーを供給。 | ![]() |
9532 | 大阪ガス | ガス | 都市ガス2位。総合エネルギーを供給。 燃料電池などの技術力に強み。 | ![]() |
9534 | 北海道ガス | ガス | 北海道基盤の地方都市ガス大手。 石狩にLNG基地、発電所、電力拡大。 | ![]() |
9533 | 東邦ガス | ガス | ガス業界の3位。関西エリアで供給。 再エネ拡大や水素、合成メタン技術。 | ![]() |
9543 | 静岡ガス | ガス | 工業用ガスに強み。LNG基地活用。 都市ガス、LPガス、電力など。 | ![]() |
8174 | 日本瓦斯(ガス) | 小売業 | 都市ガス・LPガス最大手。関東中心で展開。 ガス機器、ガス工事、電力プラン。 | ![]() |
1663 | K&Oエナジーグループ | 鉱業 | 天然ガス開発・都市ガス供給。 千葉で天然ガス開発を行う。 | ![]() |
8088 | 岩谷産業 | 卸売業 | 産業・家庭用ガス専門商社。LPガス首位。 合成樹脂、鉱物原料、水素に強み。 | ![]() |
1963 | 日揮 | 建設 | 総合エンジニア国内首位。海外でLNG。 再エネや水素関連ににも注力。 | ![]() |
8058 | 三菱商事 | 商社 | 天然ガス、石油化学、産業インフラ。 海外でLNGの巨大プロジェクトを展開中。 | ![]() |
9535 | 広島ガス | ガス | 中国地方で都市ガス首位。LPガスに強み。 バイオマス発電所も運営。 | ![]() |
9536 | 西部ガス | ガス | 都市ガス大手。電力小売りにも参入。 業務用ガス、LNGで九電と提携。 | ![]() |
9537 | 北陸ガス | ガス | 地方ガス大手。県産ガスとLNGの2本柱。 低炭素電力の供給目指す。 | ![]() |
9539 | 京葉瓦斯 (ガス) | ガス | 都市ガス中堅。電力小売り、不動産。 東京ガス、東京電力から原料調達。 | ![]() |
ガスの大手系なら、「東京ガス」「大阪ガス」「北海道ガス」あたりが狙い目かもしれません。シェア率が圧倒的に高く比較的に株価も安定して動いています。
あるいは、出遅れ感がある地方系のガス会社や、安値圏にある銘柄を選ぶ方法もありますね。
海上輸送やタンカーなども入れると、まだまだガス系の銘柄は他にもあるのです。海上系はまた、別の記事で改めて・・・

どんなガス会社がいいのかな。

自社で開発から販売まで行うところは強いですよね。他にも、配管工事や給湯器なんかの展開もチェックしてみましょう。
さらにチェックしたい原油・ガス関連の銘柄は、原油やガスにまつわる製品を販売している業者や、地方系のLPガス会社などです。ガスプランの小売り業者などです。
一般的にあまり知られていない業者も多いのですが、他分野にわたる事業を展開していてバラエティに富んでいるのが特徴です。原油やガス以外のトータル的なサービスでヘッジ効果が期待できます。
コード | 銘柄名 | 業種 | おもな事業 | 年間チャート |
---|---|---|---|---|
2734 | サーラコーポ | 小売業 | 都市ガス、LPガス、住宅販売、建設工事など。 総合的な住宅サービス。中部ガスグループ系。 | ![]() |
5018 | Moresco | 石油 | 化学品メーカー。自動車潤滑油、金属加工油、 素材、ホットメルトの4本柱。賃貸ビルも経営。 | ![]() |
8133 | 伊藤忠エネクス | 卸売業 | 石油製品、LPガス、電力販売。 車検整備、日産車の販売も行う | ![]() |
8131 | ミツウロコ グループ | 卸売業 | LPガス主力、灯油、電力、ネットも扱う。 不動産、飲食、日用品など。 | ![]() |
8037 | カメイ | 卸売業 | 東北最大の石油・LPガス卸。 傘下にトヨタ販社、給湯器、食料品。 | ![]() |
5015 | BPカストール | 石油 ・石炭 | 英大手BPのグループ会社。 自動車潤滑油、カー用品、輸入車ケア。 | ![]() |
3167 | TOKAI | 卸売業 | 東海地盤のLPガス・CATV。水宅配も行う。 電力事業・リフォーム、総合住宅サービス。 | ![]() |
3361 | トーエル | 小売り | 神奈川中心のLPガス小売り。電力・ネット、 長野やハワイの飲料水、高級イチゴ。 | ![]() |
5951 | ダイニチ工業 | 金属 製品 | 石油ファンヒーター大手。加湿器シェア1位。 業務用大型ストーブも製造。 | ![]() |
5010 | 日本精蝋 (せいろう) | 石油 ・石炭 | 石油系ワックスメーカー。キャンドル、タイヤ、 包装材料。伊藤忠と資本業務提供。 | ![]() |
9818 | 大丸エナウン | 卸売業 | 近畿でLPガス販売、医療・産業用ガスも販売。 宅配飲料水、太陽光発電設備の販売も。 | ![]() |
5909 | コロナ | 金属製品 | ガス・石油の住宅設備の最大手。 暖房機器、エコキュート、空調、家電。 | ![]() |
1718 | 美樹工業 | 建設業 | 大阪ガスやセキスイハイム関連のガス工事、 住宅販売や建設が主力。賃貸も展開中。 | ![]() |
1981 | 協和日成 | 建設業 | 東京ガス系のガス配管工事会社。 東京電力関連の工事や給排水工事も行う。 | ![]() |
安全性重視で、バックに大手がついている銘柄を選ぶなら、「伊藤忠エネクス」「BPカストール」「協和日成」など選択肢になるでしょう。
このあたりの銘柄は、そこまで知名度が高いわけではないので普段の値動きは割と緩慢です。ただ、何かをきっかけに一旦注目されると、少ない出来高でも価格がジャンプしやすいメリットがあります。

このジャンルの株も面白そうだね。何を基準に選ぶべき?

地域やその他の事業、バックにどんな企業がついているかを見ておきたいですね。株式が低迷する時は以外とローカルが強かったりもします。
独自の強みを持っている、オリジナリティの高さが勝負となるかも?

原油やガスの関連株に投資をする方法は、「国内株式が取引できる証券口座」を開設することです。ほとんどの証券会社が国内株式を取り扱っていますので、どこでも好きな業者が選べます。

うーん。でも逆に証券会社がたくさんあるから迷う。どこがいいかな。

では、参考までにおすすめの証券会社を3社ご紹介しておきますね。
- どんな人におすすめなのか
- どんなサービスが他社と違うのか
以上の2点で比較してみましたので、ぜひ参考にして下さい。
楽天IDを持っている方におすすめなのが楽天証券です。簡単手続きでスピーディに口座開設することができます。楽天ならではの豊富なキャンペーンも魅力です。

現物株式の手数料:いちにち定額 約定100万円以下は無料
楽天証券では、株式だけでなくFXや投資信託、海外株式、貴金属やコモデティなど多彩な商品が取引可能です。とくにFXでは、国内では珍しくMT4が使えることが注目されています。
取引ツールも「ブラウザー版」「Market Speed」「Market Speed2」と3種類から選べます。会社四季報や日経ニュースなど情報配信サービスが充実していることも楽天証券の魅力です。
商品数や取引ツール、情報配信の充実度を重視したい方におすすめです。
ただ、楽天市場でもおなじみのように広告が多くて若干見づらいのが難点。フリーダイヤルはナビダイヤルのみ。わかりやすさやサポートを重視したい方には使いづらいかもしれません。

現物株式の手数料:1日の約定50万円以下は無料
シンプル・使いやすいサービスで評判なのが松井証券です。サイトも見やすくて、取引ツールもごちゃごちゃしていません。初めての株式取引・投資であれば、松井証券から始めてみるのがおすすめです。
フリーダイヤルも携帯からかけれます。手数料も50万円以下なら無料です。松井証券は老舗系の証券会社なので信用面でも安心して使えます。
松井証券のデメリットは、取引ツールやシステムが他社に比べて弱いことです。高速約定でバシバシ取引したい方にはおすすめできません。時間に余裕を持った取引なら全く問題ないでしょう。

現物株式の手数料:55円~(米国株は無料)
国内株式だけでなく、米国株式・中国株式も取引したい方におすすめなのがマネックス証券です。
マネックス証券では国内株式、投資信託、ETF、貴金属などに加えて、6000銘柄を超える外国株式を取り扱っています。米国株式の手数料はなんと無料です。
経済ニュースに加えて、市場分析レポートや教育コンテンツが豊富なのも魅力です。本格的に、株式投資を展開していきたいかたに満足の証券会社です。
気になる点は、国内株式では手数料がかかることです。取引毎手数料コースの場合、1取引ごとに55円です。1日定額コースでも550円の手数料がかかります。手数料が気になるかどうかが選ぶポイントとなるでしょう。

以下の記事では、バフェットが買い増ししているエネルギー株をご紹介しています。こちらも、ぜひ合わせてご覧下さい。

日本ではまだ利上げは見送られていますが、世界は今利上げピークです。今だにマイナス金利を維持しているのは、現在日本だけ。
とかく何事にも遅れがちな日本ですが、おそらく円安・物価高が進むとすれば日銀も決意しないわけにいかないでしょう。(日銀はあえて円安による実質の物価上昇を今は無視しているよう)
国内で利上げが実施されるとすれば、株価低迷の可能性もより現実的になってきます。仮に日本での利上げが実行されないとしても、米国・欧州の影響を受けやすい国内株式は、低迷期間へ突入する可能性は高いといえます。
あらゆる商品が下落する中、もしかすると原油・ガス関連の銘柄に希望を見いだせるかもしれません。今回ご紹介した原油・ガス関連の銘柄を、ぜひ参考にしてみて下さい。

