OPECプラスとは?原油価格を左右するOPECプラスの会合、日程の調べ方

OPECプラスとは、原油産出国によって構成されている機関のことで、原油の安定した供給と価格維持を目的するものです。サウジアラビア、アラブ首長国連邦、イラン、イラク、ロシア、メキシコなどが加盟しています。

原油価格は、OPECプラスが会合で決める供給調整に大きく左右されています。

OPECプラス会合にて、減産が合意されると価格は上昇、増産が合意されると価格は下降に向かう傾向にあるのです。

今回は、OPECプラスの役割や目的OPECプラスが開催する会合について詳しく解説していきます。

OPECプラスとは

OPECプラスとは、もともとの組織であったOPECに非加盟国のnon-OPECが加わったものをいいます。

投資家レヴィ
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そもそもOPECって何なの?

エネルギーLAB
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まずは、OPECの概要から簡単に見てみましょうか。

OPECの概要

OPECとは

「Organization of the Petoroleum Exporting Country / 石油輸出国機構」を略したものです。1960年、イラク、イラン、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5か国によって設立されました。(現在は13か国)

設立:1960年9月14日

本部:オーストリア、ウィーン(1965年~)

公式サイト:https://www.opec.org/opec_web/en/

※オーストリアはOPECの加盟国ではないのですが、各加盟国への公平性を保つためにあえてOPEC以外の中立的な立場にある国に本部が置かれました。(1965年まではスイス、ジュネーブが本部)

OPECの目的は、加盟国が一元となって原油の安定した供給政策を計り、価格の安定を確保することにあります。

設立された背景には、1959年に当時中東で石油開発を行っていた米国・英国・オランダなどの石油大手会社による過剰供給と価格操作で原油価格が暴落したことがきっかけとなっています。

1960年から1970年代にかけて、先進国を中心に高度経済成長の時代に入り、エネルギーの需要が拡大しました。エネルギー需要の拡大とともに、OPECへの加盟国も増え、価格調整においてOPECが実権を握るようになったのです。

OPECプラス 200万バレルの大幅減産!原油価格は再び100ドルを超える可能性

OPECの歴史

投資家レヴィ
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どんなふうにOPECは原油価格と関係しているの?

エネルギーLAB
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OPECと原油価格のかかわりを見るために、

OPECの歴史を軽く見ていきましょう。

1960年9月
中東5か国によってOPEC設立

イラン、イラク、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラの5か国によって、イラクのバグダットでOPECが正式に設立。条約が締結される。

第一回OPECミーティング
1970年9月
OPECによる価格調整が本格化

1969年のリビア軍事クーデターを皮ぎりに、スエズ運河の閉鎖・アラビア湾の閉鎖からタンカー運賃が値上げとなり、OPECによる原油価格の値上げ交渉が実現。5年間、公示価格引き上げる「テヘラン協定」が1971年に締結される。

1973年10月~
第一次オイルショック

イスラエル、エジプト、シリアの武力衝突にて戦争が勃発。アラブはイスラエル周辺への原油輸を禁止、原油の価格高騰を生み出す。原油価格は約4倍に引き上げられて、世界中が混乱した。その後、価格高騰から原油の需要は低迷。

オイルショック時の日本のスーパー
1978年10月~
第2次オイルショック

イランで石油労働者のストライキが発生、当時世界3位の産出国だったイランの輸出が停止する。この機を狙ってOPECは値上げを実行。しかし、直後にサウジや北海原油の増産が進んだため、価格は緩和に向かう。

1985年7月
原油価格は暴落に向かう

1980年ごろから、原油の供給過剰に歯止めがきかなくなり、にもかかわらずOPECは値上げを続行していた。一方では、OPEC以外の国における原油生産が活発化していたためOPEC離れ、供給過多によって原油価格は暴落する。

1990年代
原油価格の低迷期

OPECのポリシーを逸脱する供給過剰や、80年代と同様にOPEC以外での割安の原油供給などから、原油価格はしばらく低迷期に入る。1992年に環境保全をテーマに地球サミットが開催、再エネ開発が注目されたことも原油低迷を下押しした。

2000年代
先物市場の拡大で原油価格は乱高下

2000年代に入ると、投機筋によるWTI先物取引が急拡大。原油価格は激しいボラティリティで乱高下することに。2008年は130ドルの高騰から一気に40ドルに暴落。価格の安定性を目指してOPECとnon-OPECの協調が強まる。

2016年2月
原油20ドル台に暴落 OPECプラスの結成

リーマンショックから原油価格は回復したものの、米シェールオイルの本格参入や再エネ到来による需要低下から原油は20ドル台まで暴落に向かう。価格回復を目的にOPECとnon-OPECが統合してOPECプラスを結成に至る。

参照:OPEC – Britanica

参照:国際石油産業 – ENEOS

参照:Brief History – OPEC

エネルギーLAB
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というように、OPEC加盟国の動向や供給調整が

原油価格を高騰させたり暴落させたりと影響を与えているのです。

OPECプラスの設立

2016年、原油価格の暴落をきっかけにOPECとnon-OPECは原油価格の安定性を計るために、相互に協調することで合意。OPECプラスが結成されました。

投資家レヴィ
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non-OPECって何なの?

エネルギーLAB
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non-OPECとは、非OPEC加盟国のことです。

中東以外のロシアやメキシコなどの国のことをいいます。

OPECとnon-OPEC

現在のOPEC加盟国は、当初の5か国に8か国が加わり13か国です。

OPEC加盟国(13か国)

イラク、イラン、クウェート、サウジアラビア、ベネズエラ、リビア、アラブ首長国連邦(アブダビ)、アルジェリア、ナイジェリア、エクアドル、アンゴラ、ギネア、コンゴ

non-OPECは、

米国、カナダ、メキシコ、ロシア、ブラジル、コロンビア、アゼルバイジャン、アルゼンチン、ノルウェー、オーストラリア、イギリス、インド、エジプト、中国などの国があります。

こららの国のうち、10か国がOPECプラスに加盟しています。

non-OPECでOPECプラスのメンバーとなった国(10か国)

ロシア、メキシコ、アゼルバイジャン、バーレーン、ブルネイ、カザフスタン、マレーシア、オマーン、スダーン、南スダーン

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2016年以降は、OPECとnon-OPECの23か国にて

原油の供給調整が協議されています。

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OPECプラス会合とは

OPECプラスは必要に応じて、OPEC and non-OPEC Ministerial Meeting(OPEC non-OPEC閣僚会議)を開催し、原油需要の見通しと供給量の目安を協議しています。

10月5日の会合では、日量200万バレルの大幅減産に合意。原油価格は連日で上昇に向かいました。

しかし、一方では米国の期待を裏切る減産であったことから、米国とサウジアラビアの関係が緊迫するとの見方が広がり、不安材料となっています。

同時に、FRBのアグレッシブな利上げから需要が懸念されている状態ではあるのですが、市場ではさらなる原油価格の高騰を予想する声も少なくありません。

インフレ・エネルギー高の話題につきない昨今では、OPEC会合の結果は、市場が最も注目するトピックの1つとなっています。

OPECプラス会合の結果から、

  • 減産で合意 → 原油価格上昇の要因
  • 増産で合意 → 原油価格下降の要因

となり、原油相場が大きく動く傾向にあるのです。

原油価格の動向を知るうえで、OPECプラスの会合をチェックすることは必須です。

会合の日程を調べる方法

投資家レヴィ
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OPECプラスの会合スケジュールは

どうやって調べるの?

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OPECプラス会合の日程は、不定期であるため予測は難しいのですが、

1,2か月前にはニュースなどで報道されることが多いです。

とくに、景気の見通しが悪かったり、供給過多(供給不足)だったり、価格が下がりすぎたりと、需給バランスを考慮する必要があると思われた時期に開催されます。何が重大な出来事が発生した時などは、急遽開催されることもあります。

比較的、早めに開催予定を知る方法として、REUTERの原油欄をこまめにチェックする方法があります。

REUTERでOPEC情報を調べる REUTER 原油・エネルギー

または、OPECの公式サイトのPress Release、Twitterをチェックする方法もあります。

OPECの公式サイトで情報を調べる OPEC Press Release

会合の結果を調べる方法

OPEC会合の結果は、英語版が早いです。OPEC会合の結果は、英語版のニュースサイトの速報でリアルタイムでゲットできます。

とくに早いと思われるのが、

などおすすめです。

エネルギーLAB
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上昇にしても、下降にしても、

発表後はかなりスピーディな価格変動が期待できますので稼ぎ時です。

ぜひ、活用してみてください。

まとめ

2016年2月に、原油価格は26ドルまで暴落。OPECやnon-OPECの原油産出国に大きな打撃と危機感を与えました。

想定を超える落ち込みが、OPECプラス加盟国の協調関係をより強固にする結果となり、これまでになく減産・増産を実現する体制が整っています。

さらに、原油産出国は2020年3月のコロナショック時に、原油価格はマイナス領域に落ち込むという前例のない最悪の事態も経験しているのです。欧米の圧力にも動じない、OPECプラスのゆるぎない供給調整・減産の表明には、まさにOPECプラスの生存がかかっているのです。

加えて、近年は再エネへの移行が進みつつあり、OPECプラスも再エネに向けて着々と準備はしているものの、当面の収益を得なければなりません

危機感という面でとらえれば、欧米のインフレ問題とは比にならないほど窮地にいるのかもしれません。そう考えれば、OPECプラスが今後も減産に執着し、エネルギー高が続く可能性は大いにあるといえるでしょう。

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